アメリカ生活に欠かせないクレジットカード。しかし、適当に申し込んでも申請が通らなかったり、機会損失したりしてしまいます。この記事ではアメリカに期間限定で生活する駐在員(駐妻、駐夫含む。以下駐在員で代表)がクレジットカードを効率的に作成するための基本的な戦略の考え方を紹介します。
この記事を読むと自分に合ったクレジットカードの作成計画が立てられるようになります。
駐在員特有の条件
期間限定の滞在である
駐在員の場合、永住者と異なりいつかは帰国することが決まっています。人により任期は異なりますが短ければビザが不要な1年半から2年程度、長くても多くの場合は5年程度かと思います。
一方でアメリカでクレジットカードを作成できるようになるまでいくらかの期間を要したり、クレジットカードを短期間で連続して作成することに制限がかかっています。また、単純にクレジットカード作成による特典を得るためのミニマムスペンド(〇か月以内に〇ドル以上支払うというやつ)を達成することにも時間がかかります。
ですので、これらの制約を少しでも緩和できるような工夫が必要となります。
信用情報をゼロから構築する必要がある
上と一部内容が重なりますが、クレジットカードを作成するには必要なクレジットスコア(信用情報)が必要となりますがこれはアメリカで発行したクレジットカードの所持歴、使用歴のみがスコア計算の材料となります。
また特定の銀行(Chase)が発行するクレジットカードを作成するには、必ず要るというわけではないですがその銀行で口座をもっておくとその残高や履歴が審査の材料にされます。これもスコアという形で確認できるものではありませんが、1つの信用情報と言えます。
どちらも日本でのクレジットカードの利用歴やその銀行以外の口座残高(当然ですが)は一切考慮されませんのでどのように早期にスコアを上げていくかについて考える必要があります。
駐在員のクレジット作成戦略
これら駐在員特有の条件がわかったところで、それらに基づいた駐在員のクレジット作成戦略を説明します。
戦略1:最初の1枚を早く入手する
クレジットスコアはアメリカのクレジットカードの利用歴でしか上げることができませんのでとにかく最初の1枚をいかに早く手にするかが肝心です。
お勧めしたいのは赴任前に日本で申請して渡米後にすぐに受け取れるJAL USAまたはANA USAカードのいずれかです。両方は必要ありません。SSNさえあれば作成できるカードもありますが、それでもSSN取得まで早くても渡米から1か月程度はかかるので、そこからカードの申請、受け取りで1-2週間程度かかることを考えるともったいないないのではと思います。
戦略2:Chase銀行の口座を作成し、Chaseのクレカを他より先に作成する
Chaseとは?
JAL USA、ANA USAカードまでは前任者や会社などから案内される場合が多いです。それ以外にクレジットカードを作ろうと考えている方がこの記事を読んで頂いていると思いますが、Chaseのカードというのを見聞きしているのではないかと思います。
Chase (Chase Bank)というのはアメリカの大手の銀行の1つで、その銀行で発行できるクレジットカードの特典が非常においしいものが多いので駐在員の間で話題になることが多いです。例えばChase Sapphire Preferredは作成後最初の3か月で60,000ポイントもらえますが、これをHyattのホテル使う人が多いです。
口座を作成し関係を築いて、枚数制限が厳しいカードを早期に入手する
カードの魅力と同時に作成可能枚数の制約が厳しいことでも有名です。具体的には5/24ルールと呼ばれるもので、公式に発表されているものではありませんが、先人たちの情報集約により見出されほぼ常識となっているものです。内容は「過去24カ月以内にクレジットカードを5枚作製しているとChaseでのクレジットカードを新たに作成することはできない」というものです。
例えばアメックス(American Express)は審査が比較的緩く、早期から作成可能になりますが5枚の枠を全部埋めてしまうのは悪手で、最初の5枚の中にChaseのカードを含めるように作成して5枚所持の状態になってから他を作るというのが良いです。
もちろん5/24ルールにそって最後の作成から24カ月待てば申請できるようになりますし、そもそもChaseのクレジットカードを作らないという考え方であればこの限りではありません。一般的にはChaseでクレジットカードが作れるようになるまで赴任から1年程度要してしまうようなので赴任期間によっては最初から捨てるというのも手です。
いずれにしろChaseのカードをいかに早く作るかということもキーになります。そしてそのためにはChaseで口座を作成して関係を構築するのが良いと言われています。実際、私自身がChase Sapphire Preferredを申請して否認された際の理由で「口座残高が少なすぎる」と挙げられていたことがあるので噂ではなく本当に考慮されているものだと理解しています。
クレジットカードを作成するしないに関わらず、口座(Checking Account)を開いて所定条件(90日以内のDirect Deposit設定(給与口座設定))を満たせばたったそれだけで200ドル(キャンペーン期間中であれば250ドル)もらえますので会社で給与の振込先の銀行の指定があるとかでない限りは作成して損はないと思います。
戦略3:ミニマムスペンドで繋ぐ
ミニマムスペンドはカード作成時特典を得るための「〇カ月以内に〇ドル以上支払う」というやつのことです。カードによって期間と金額はまちまちです。そして、ミニマムスペンドで繋ぐというのはその〇ドル以上を支払い終えたら次のカードでの支払いに移行するということです。
なぜそうするかというと、ミニマムスペンド達成で得られるカード作成特典が通常の特典に比べて還元率が高いからです。例えば高還元で名高いアメックスプラチナの場合一番多いもので航空券、ホテルに使って約5%、アメックスゴールドでレストラン、スーパーでの支払いに使って約4%のポイント還元が受けられます。それに対し、例えばChase Sapphire Preferredの場合、作成特典は「4000ドル使用して60,000ポイント(約600ドル相当)」なので通常の1%還元と合わせて約16%還元となります。これは高還元のカードを選んでの数字ということはありますし、戻ったポイントの使い方にもよりますが多くの場合10-20%程度は見込めます。
ですので、各ブランドの作成枚数に届かないうちはミニマムスペンドではない通常の支払いが避けられるような作成、支払い計画を立てるのがよいです。赴任して数か月生活すれば月々のクレジットカードでの支払い額がおおよそわかるようになりますので、ミニマムスペンドを達成する頃に新しいカードが届くように申請したいです。
実際には期間限定のキャンペーンのために前倒ししたり、作成を見送ったり、予定外の出費により早々にミニマムスペンドを達成したりということがあるので全てを計画通りにというのは難しいですが考え方としては押さえたいところだと思います。
まとめ
個人個人の赴任期間や趣向により実際にどのカードをいつ作成するかということは変わってきますが、ここで書いたことをベースに作成計画を立てれば後から振り返ったときに「あのときこうしておけばよかった」という後悔は減るのではないかと思います。
私自身調べて事前に調べて臨んでいたつもりでしたが、それでも少なからぬ反省はあるので自戒と今からアメリカ生活を始める方の一助になればと思いまとめました。
おわり
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