TOEICに特化した対策をほとんどすることなく920点を取った私が、意外と苦手とする人が多いPART2の対策として シットコム視聴を提案します。
英会話の実力UPには海外ドラマ視聴!というオススメはよく聞きますし、私自身も勧めます。
この記事では、PART2に説明を特化します。
他のリスニングパートに比較して難しいポイントと、なぜシットコムが効くのかを解説します。
なるほど、やってみよう!と思った方はぜひシットコム沼へようこそ。
ちなみに私が、800点台後半から900点台に載せるまでに米ドラマのフレンズをほぼ2周英語字幕で見ました。
PART2を難しいと感じる理由
念のために説明しておくと、TOEICリスニングパートの2はある一人の発話を受けての適切な応答を3つの選択肢から選ぶ形式です(選択肢は印刷されていない)。
会話の流れがない
会話のラリーを聞くPART3や複数の文章が読み上げられる4の方が文章(時間)が長くて聞き取るのが大変と思っている方も多いかもしれません。
私も初めはそうでした。
しかし一旦解答の先読みをするようになるとPART2の方が難しいなと思うようになりました。
先読みができると、ある程度話の流れが推測できたり、登場する単語がわかるため大分構えて聞くことができるようになります。
(逆に言えば、純粋な聞き取りをしろと言われば、単純に長いPART3や4の方が難しいです。)
TOEIC界でされうる会話という限定はあるものの、やはり何が話されるか分からないというのは聞き取りおよび理解を相当に難しくしています。
ひねったやりとりがそれなりに多い
こういったことから、聞き取りのポイントとして何を聞かれている発話なのかを捉えるために、「最初の疑問視を何としても聞き取れ!」ということになるのですが、最近は疑問文ではない平易文で始まる会話も増えていますし、DIRECTIONのように場所を聞かれて場所を答える何でもないやりとりは逆に減っています※。
※数年に一度受けての感覚と、世間(ネット)で言われていることを見て書いているだけです。悪しからず。
例えば
- 今度車買い替えるんだよね / 去年買ったばかりじゃなかった?
- 次の会議の場所どこだっけ? / TAROからのメールに書いてあったと思うけど
みたいな感じです。
つまり「素直に聞き取って、内容を理解する必要がある」ということですね。
シットコムでの勉強を勧める理由=期待を裏切られるから
では、なぜその対策にシットコム視聴が効くのか。
「素直に聴き取って」の部分については別の記事に譲って、ここでは「内容を理解」の部分について説明します。
シットコムは読んで字のごとく、コメディなので視聴者の笑いを取りに来ます。
お笑いの文字での解説ほど寒いものはないと承知で書きますが、手法の一つで「期待を裏切る」ということが挙げられます。
この期待を裏切る会話についていくことがトレーニングになるという算段です。
私が好んで見ていたフレンズからの具体例の引用を3つ見ていきたいと思います。
(文字ベースですと伝えるのが難しいので、本当はDVDを借りるかストリーミングサービスで見てもらいたいですが。)
期待と真逆の反応をすることがある
1つ目はこちら。結婚式当日に行方知れずになった花婿が見つかってよかった!というシーンでこんなやり取りがあります。
[Rachel] (On the phone) We got him back; everything’s fine.
FRIENDS “The One With Chandler and Monica’s Wedding” (Season 7 – Episode 24)
[Joey] Damn it!
花婿が見つかって一安心という場面なのに、Rachel の期待に反しなぜか悔しがるJoey 。
実は仕事が長引いて結婚式にまだ迎えていなかったので、しばらく見つからないままでいてほしかったという思いが込められている返しです。
TOEIC界ではこんなひねくれた反応はないと思いますが、何と言っているかを追い過ぎて何を意味してるかへ頭が向かわないと内容が理解できないという一例です。
言いたいことを別の方法で伝えることがある
2つ目はこちら。ベジタリアンのPhoebe が七面鳥を食べたくない理由を説明しているシーンです。
[Phoebe] Turkey’s are beautiful, intelligent animals!
FRIENDS “The One with the Rumor” (Season 8 – Episode 9)
[Joey] No they’re not! They’re ugly and stupid and delicious!
Joey が七面鳥を食べたいという主張をするために直接そう言うのではなく、最初の発話の対義語を並べることで代えているということです。
一見(一聴)それらしく答えつつも、別のことを意味していることがある
3つ目はこちら。
[Ross] She didn’t photograph well!
FRIENDS “The One with the Rumor” (Season 8 – Episode 9)
[Chandler] Well, she probably wasn’t familiar with the process having spent most of her life sitting for oil paintings!
補足を含めた日本語訳は「(高校生のとき関係を持ったその女性(うんと年上)の写真が醜いのは)写真写りが悪いからだ!」「写真を撮るのに慣れてなかったんだろ、油絵が出来上がるまで座っていることしかしてこなかったんだから」あたりです。
返しの文が少し難しいかもしれません。詳しい文法解説はしませんが、分詞構文で理由を付加している構造です。
みんなが笑う中、慣れてなかったんだからしょうがないだろと、さもかばうような形で話を始めつつさらにバカにして笑いを取るやり取りです。(と、文字にしてしまうと面白さ激減ですが、、)
ポイントは回答を予想しつつも、意味をきちんと理解するということ
3つ例を挙げましたが、一口に期待を裏切ると言っても色々な方法がありそうです。
既に書いたように、TOEIC界でのやり取りを考えるとひねりの度合いははるかに超えていますが、逆に言えばいいトレーニングにもなっていると言えます。
というと、TOEICの問題ですら理解できないからドラマなんてもっと難しいのかと心配される人がいるかもしれないので、そうではないと補足します。
発言するキャラや会話の流れ、エピソード毎での冗談の使いまわし等意味を理解するための助けはいくらでもありますので必ずしも理解により高い英語のレベルが求められるというわけではないからです。
(スピードや語彙はその限りではないですが)
トレーニングだ!と肩肘張らなくてもドラマ視聴を続けていれば意味理解に脳のメモリを割くように自然とシフトしていきますので、そうなればTOEICの問題を解くのもしめたものです。
おわりに
ドラマというと話題や語彙はTOEIC界のそれとは離れていて、直接的にTOEICの点数UPに効くようには思わないかもしれません。
ただ、発話をきちんと聞き取るかつ言外の意味を理解するという、普段日本語で日常的にやっていることを英語でできるようにするという目的を理解してもられば、納得してもらえると思います。
一方で、そこさえ押さえられれば、教材や勉強の方法は何でもいいかなとも思います。
私は、たまたまシットコムを見ていて「こういう切り返しの理解はPART2対策になっているかもな」という気づきがあっただけなので、他にもっといい方法があるかもしれません。
ちなみに、私が普段ドラマを見るときにこんな分析的に見ているわけはないですし、そんな行為は楽しみを半減させてしまうと思いますので何も難しいことは考えず純粋に内容を楽しみましょう。
おわり
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